財団法人川崎教育会館設立趣意書
川崎市公立学校教育職員は、昭和34年4月より教職員の相互共済及び福祉増進を図るべく川崎市教職員互助組合を結成し、その運営は組合員の掛け金および川崎市よりの助成金等等で行い、爾来現在に至るまで組合員に対し、死亡弔慰金、災害見舞金、退職金等の給付をなし、その実を挙げて来た。 然るところ右組合は法人格を有しないために財産の維持管理についてはその保全を期し難いうらみがあった。 而して、戦後新憲法、教育基本法が制定され、民主的で文化的な国家を建設し、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を持ち、この理想を実現するためには、根本において教育の力を持つところ極めて大であることを自覚する教育者は、鋭意その努力を続けているものである。 この目標達成のためには多角的且つ組織的な活動をする必要があり、よって川崎市公立学校教育職員はさきに互助組合において建設した建物をしてそのセンターたらしめるべく、ここに新たな構成として川崎教育会館を設立することに、その意義を見出すに至った。 而して、この教育文化センターとしての教育会館は、単に教育職員のみの教育集会の便に供するに止まらずして、広く川崎市の学校教育、社会教育はもとより、地域文化の推進に積極的な役割を果たすべく、将来、尚一層その効率を昂めるために管理運営を合理化し、然る意義ある事業の基礎を確立するために、財団法人川崎教育会館を設立し、この会館をして百年の不動の存在たらしめんとするものである。 |