映画関係事業                                

「平和に関する良い映画を鑑賞させ、戦争の悲惨さと平和の尊さを学習させると共に、映画のきっかけに親子のふれあいを更に深め、豊かな成長を育む」を目的とした夏休み親子映画会は、1980年度川崎教育文化研究所開設以来継続事業のひとつとして地域に定着しています。
健やかで、心豊かな子どもを育てるのにふさわしい文化活動をすすめます。
その一環として、平和・人権・多文化共生を基調とした親子映画会を夏休みに開催します。 
上映作品 解説・内容
1981 はだしのゲン第1部 中沢啓治の同名コミックをアニメ化した作品。昭和20年、原子爆弾によって焼け野原となった広島市を舞台に、主人公・ゲンが家族を失いながらも、たくましく生き抜いていく姿を描く。公開当時、全国のさまざまな市民団体や自治体などが協力して、「1000ヶ所草の根上映運動」が行われた。
1982(春) はだしのゲン第2部 1983年に公開された『はだしのゲン』の続編。原爆の爪痕の残る広島市で、被ばくの後遺症と闘いながら、明るく前向きに生きていこうとするゲンと、親を失いみなし子になってしまった少年らとの心の交流を描く。
1982(夏) 象のいない動物園  人間をかえせ 第二次大戦中の昭和十八年、上野動物園の数多くの動物たちが殺された。やがて終戦を迎え、この事を知った子どもたちが、象を見たいと呼びかけ、インドからインディラという象を迎えるまでを描くアニメーション。脚本は「上海バンスキング(1984)」の斎藤憐、監督は「11ぴきのねこ」の前田庸生がそれぞれ担当。
1983 対馬丸 昭和19年8月21日、沖縄の本土疎開学童八百余人を乗せた対馬丸が、曇天、時々スコール、さらには台風の接近という中、出航。そして翌22日、船は米軍潜水艦に発見され、魚雷攻撃の末、沈没。学童の生存者はわずか五十九人。その事実は軍部により闇から闇へ葬られ、二ヶ月後、米軍の沖縄攻略作戦が本格化していった−−。
1984 パパ・ママ・ バイバイ 1977年に横浜市で現実に起きた、米軍ジェット機墜落事件をもとにした劇場アニメ映画。お転婆で気の強い少女かおりは、隣家の兄弟でどちらも大人しい気立てのユー君とヤス君と、とても仲が良かった。ある日かおりは傷ついた鳩を拾い、ユー君とヤス君も一生懸命に面倒を見る。やがてかおりの学校が運動会だったその日、頭上を米軍厚木基地のファントム戦闘機が轟音を発しながら滑空。やがて機体は、兄弟の家の近くに墜落した。機体の燃料に引火し、火の海となる周辺の住宅地一帯。すぐに自衛隊の救援ヘリが飛来するが、しかしヘリが救助したのは現地の重傷者たちではなく、墜落前にパラシュートで脱出して無傷なままの、ファントムを操縦していた米軍兵士2名の方だった……。作家・早乙女勝元が取材した実話をもとに、絵本形式で刊行した原作をアニメ映画化。アニメ映像の実制作は、東映動画(現・東映アニメーション)。
1985 ふたりのイーダ 戦争で死んだ少女を何十年も待ち続ける、心を持った椅子。主人公の少女は偶然その椅子に出会い戦争の悲惨さを知る、という反戦映画。椅子が喋るシーンや幻想シーンなどに特撮が使用された。
1986 はだしのゲン(アニメ) 1945年4月の広島。国民学校(戦時中の小学校)2年生の中岡ゲンは、父親の大吉が戦争を批判したことから非国民の子といわれていた。だが苦渋の生活に耐える一家の前で8月6日、広島にピカ(原子爆弾)が投下。ゲンは父、姉、弟を一瞬のうちに失った。このショックで早産した母・君江と、生まれた赤ん坊の妹・友子の面倒を見ながら、他の被災者とともに必死に生きるゲン。彼は死んだ弟・進次にそっくりな戦災孤児・近藤隆太を家族に加え、そして原爆のため全身に大火傷を負った画学生の青年・吉田政二の看病をしながら戦後の世を生きていくが。
1987 SOSこちら地球 エーリヒ・ケストナーが描いた絵本『どうぶつ会議』をベースに、戦争という人間の業の深さについて語る、人形アニメーション。人間たちが我が物顔で引き起こす戦争。その被害を受けていた動物たちは、パリに集結して緊急会議を開くことに。人間たちに対し、これ以上の自然破壊の禁止や、核兵器根絶を訴えることになったが……。だが核を保有し、互いにけん制しあう大国にその主張は届かず、さらに人間たちは動物たちを利用した、ある恐怖の計画を実現せんとしていた。
1988 火垂るの墓 自らの体験をもとに書いた、野坂昭如の同名小説をアニメ映画化。戦争によって両親を失った幼い兄妹がたどる過酷な運命を描く。高畑勲監督のリアルかつ繊細な演出により、兄妹の孤独な心情を見事に活写。ふたりの運命を予見するような、闇夜を照らす蛍の姿が痛烈に迫る。また、昭和20年代の日本の生活を克明に描写した美術・演出も秀逸。昭和20年の神戸。急な空襲で母が入院した、14歳の清太と4歳の節子兄妹は、叔母のもとを頼りに訪れる。だがふたりの母が亡くなったのを機に叔母は彼らを邪険にしはじめ、清太は節子を連れて誰もいない防空壕へ。ふたりだけの自炊生活をはじめるが・・・。
1989 千羽づる 幼くして被爆した少女が小学6年で死ぬまでの短い青春を描く。手島悠介原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「ハチ公物語」の神山征二郎、共同脚本は「春駒のうた」の松田昭三、撮影は「神々の履歴書」の南文憲がそれぞれ担当。
1990 クロがいた夏 『はだしのゲン』で知られる反戦作家・中沢啓治が原作を提供した約65分の長編アニメ映画。「被爆45周年」の企画作品であり、中沢自身が戦争中に飼っていた猫との実体験を基にしている。
1991 火の雨がふる 第二次大戦末期の一大戦禍「福岡空襲」についての証言集『火の雨が降った』をベースにした、反戦テーマの劇場アニメ。日本の主要都市の大半が米軍の空襲を受けて焼土と化していた昭和20年。その6月19日に米国の爆撃機B29の編隊230機は、静かに市民が眠りにつく福岡を襲う。少女・頼子の手をとって防空壕にとびこんだ友次少年は、夜空に降り注ぐ焼夷弾を見て「火の雨だ……火の雨がふる!」と絶叫した。疲弊した福岡。その年、700年も続いていた福岡市の伝統祭事・博多祇園山笠はついに行なわれることはなかった……。キャラクター原案を漫画家の長谷川法世(『博多っ子純情』)、音楽はクニ河内、ナレーションは米倉斉加年と、多数の福岡出身の文化人が参加。子供のCVは、地元の児童19人が出演している。
1992 ぞう列車がやってくる 戦争から象を守り抜き、平和の象徴として「ぞう列車」を走らすまでを描く、小出隆司原作のアニメ映画化。監督・脚本は「バッテンロボ丸 お化けを飼う少女」の加藤盟。作画監督は「伊勢湾台風物語」の北崎正浩が担当。
1993 うしろの正面だあれ 昭和15年、東京の下町・本所に暮らす8歳の少女かよ子。彼女の家は、5代続いた釣竿づくりの老舗“竿忠”。働き者の両親と祖母、そして妹思いの3人の兄に囲まれ、楽しい毎日を送るかよ子。やがて弟が生まれ喜びに沸いたのも束の間、日本はついに太平洋戦争に突入、一家の周囲にも暗い影を落としていく。その後昭和19年に入り、B29の来襲が頻繁になってきたことから、かよ子は一人で沼津のおばの家に縁故疎開するこになるのだった。
1994 お星様のレール 一九四〇年、朝鮮の北、満州にほど近い鴨緑江河口の街・新義州に父・和彦、優しい母・益子、妹のミコ、そしてお手伝いのお花と幸福に暮らしていた五歳の少女チコ。だが憧れの赤いランドセルは禁止され、父が兵隊に駆り出されるなど、戦争の影は徐々に忍び寄ってきた。一家は祖父母の住む平壌へ。さらにミコが腸チフスにかかり亡くなり、お花は不注意でチコを傷つけたばかりに解雇されたりと不幸は続く。やがて戦争が終わった。ソ連軍が進駐するなか、チコの一家は他の日本人と共に貨物列車に身を隠し日本への逃避行を図る。数々の苦労の末チコたちは無事国境を越えるのだった。
1995 ライヤンツリーのうた 北海道を舞台に強制労働からの逃亡生活を過ごしてきた中国人・劉連仁。その14年間にわたる実話を元に描かれた、たかしよいちによる同題児童文学(旧題は『北の逃亡者』)を原作とした約90分の長編劇場用アニメ。タイトルのライヤンツーリーは中国梨の一種で、中国語で「菜陽慈梨」と書く。1947年の春。北海道の白糖台地にあるおじさんの家で幼い少女とも子は暮らしていた。中国・満州で戦時中を過ごしたとも子はその時のショックで口がきけない。そんなある日とも子は、かつて母親が歌っていた中国語の歌を耳にする。その歌の主こそ中国人の王英仁(ワン・インレン)。ライヤンツーリーの木の前で、とも子は英仁と運命の出会いを果たす。日本兵に捕まって北海道の炭鉱で過酷な労働を強いられていた農民の英仁は、脱走して終戦すら知らないまま逃亡生活を続けていたのだ。やがて時は流れ、英仁の子守歌をきっかけに、とも子は言葉を回復。高校3年生になった彼女が英仁の行方を追う一方、英仁もまた死ぬ前に一度だけライヤンツーリーの木を見たいと願っていた……
1996 とべないホタルピピ 原作は小学校の先生が「自分の生徒たちと教室からいじめをなくしたい」と学校新聞に書きつづったお話が話題を呼び出版された童話。原作の持つ不思議な魅力がアニメ化の賛同者を増やし、優しいメッセージと豊かなイメージを伝える作品ができあがりました。工夫を巡らせたホタルの光の表現と水の演出は虫プロダクションならではの物。キダ・タローさん作曲の音楽と松任谷由実さんの主題歌が物語を彩ります。
1997 機関車先生 昭和30年代。瀬戸内海に浮かぶ島に臨時教師とやってきた吉岡(坂口憲二)は、島の子どもたちから「機関車先生」と呼ばれる。大きくて強そうで、「口をきかん」からだった。子どもたちはすぐに吉岡が好きになり、先生と子どもたちの楽しい授業が始まった。だが、中には、口のきけない先生に対して不満を持つ親もいた。
1998 マヤの一生 監督は「ハチ公物語」「遠き落日」の神山征二郎氏。同氏の念願により、椋鳩十氏原作の「マヤの一生」を映画化。原作は昭和45年に発表された椋文学の改心作の一つであり、児童文学の財産といわれる不朽の名作。今も小学校教科書の副読本になっている。椋氏の実体験をもとになっており、戦後25年を経てようやくこの物語が書かれたことに、その悲しみの深さがうかがわれる。
1999 チロヌップのきつね? 北の海にチロヌップという島がありました。きつねざくらが咲く春に、二匹の子ぎつねが生まれました。男の子はカン、女の子はコロという名前です。二匹は父さんぎつねと母さんぎつねと仲良く暮らしていました。ある日、毎年こんぶ採りにやって来る老夫婦とコロがばったり出会い、コロはしばらくこの親切な人間たちと一緒に楽しく暮らすことにしました。やがて秋―。戦争が激しくなり北の島にも兵隊がやってきました。カンも父さんぎつねも殺され、残るコロも兵隊がしかけたワナにはまり動けなくなりました。母さんぎつねは、毎日エサを運び続けるのですが、雪の降る夜とうとう二匹とも死んでしまいました。戦争が終わったいくどめかの春、島へやってきた老夫婦は、きつねざくらの咲く地にきつね親子の悲劇を知り、ぼう然とするのでした。
2000 5等になりたい 身体にハンディを持ちながらも明るく生きる少女の姿を描いたアニメ映画。原作は岸川悦子の「わたし、五等になりたい!」。小児麻痺がもとで、小学生になってもみんなと同じように歩くことができない律子は、クラスメイトからのいじめにあう。そんな彼女の支えは、マッサージ師の石橋先生の励ましの言葉だった。律子は3年生になり、運動会でリレーに出場することが決まる。しかし彼女がいては負けてしまうとクラスメイトは反発。ビリの6等ではなく「5等になりたい」律子の願いはかなうのか?
2001 チョッちゃん物語 エッセイスト黒柳 朝(黒柳徹子の母親)の自叙伝『チョッちゃん物語』(金の星社・刊)を原作とするアニメ映画。親の反対を押し切り、同じオーケストラの一員の黒柳守綱と結婚したチョッちゃんは、3人の子どもを育てつつ、家事に奔走する。やがて太平洋戦争が始まり、チョッちゃん一家を苦難が襲う……。 戦後50周年を記念して、図書館などの公共施設のみでの公開を前提として製作された作品で、制作にあたっては、「原作者・黒柳 朝のパワーを今日に受け継ごう」とのコンセプトの元、監督のときたひろこを始め、戦後生まれの女性をメインスタッフに集めるという試みがなされている。
2002 賢治のトランク 長編オムニバス映画『賢治のトランク』に挿入される短編アニメの1本で、本作の上映時間は約22分。宮沢賢治の童話「猫の事務所」をアニメ化したもので、同僚の理不尽ないじめにあいながらも、賢明に仕事を続けていく「かま猫」の姿を描く。劇場映画『ドラえもん のび太の恐竜』『怪物くん 怪物ランドへの招待』ほかの監督を担当し、児童向けアニメ作品に関わってきた福冨 博が監督を担当。キャラクターデザインは、福冨の下で作画監督等を務めてきた本田敏行が担当し、独特の愛嬌のある猫たちを描いている。主人公のかま猫は、ピカチュウ、チョッパーなど、動物役を演じることも多い大谷育江が担当。
2003 ヨッちゃんのビー玉 児玉辰春の絵本をアニメ化した作品であり、広島の原爆資料館にある熱で溶けたガラスビンにまつわる物語。昭和20年広島市、4歳のよっちゃんは実雄兄さんからビー玉をもらって大喜びだった。だが数日後兄さんは軍隊に入る事になった。戦地に向かうその日、広島駅に駆けつけたよっちゃんは鎧戸の下りた列車に向かって「死なないで帰ってきて」と泣き叫ぶ。だが広島に落ちた原爆によって「死なないで」と言ったよっちゃんの方が皮肉にも命を落としてしまう…。
2004 地球が動いた日 阪神・淡路大震災のなか、たくましく生きる子供たちの友情の物語。声の出演は女優の竹下景子、他。1995年に神戸を襲った大地震。一流中学を目指す剛の家は崩壊。彼のクラスメイトは次々と亡くなり、彼と仲良しだった美帆もその短い生涯を終える。避難所に移った剛は、クラスメートの和幸が、たったひとりの家族である父親を失ったことを知る。避難所で共に暮らす人々の心の痛み、そして被災者を救おうとするボランティアの励まし――。過酷な状況の中、剛は人と人との繋がりの大切さに気づく。
2005 えっちゃんのせんそう 岸川悦子の原作童話をもとに映像化した長編アニメーション。各地で上映され、文部科学省選定となった。1945年1月、中国・ハルビン。その頃、満州と呼ばれていた現在の中国東北地方には、日本から大勢の人たちが移り住んでいた。そのひとり、7歳の石川えつこは、街で日本の男が病気の子どもをかかえた中国の女の人をいじめているところを目撃する……。否応なく戦禍に巻き込まれてしまう子供の姿を描き、反戦への願いと日中友好へのメッセージを込めた一作。
2006 ガラスのうさぎ 「ガラスのうさぎ」は、戦争を知らない子ども達に戦争の悲惨さと恐ろしさ、平和と命の尊さを知ってほしいという願いから刊行され、27年間ロングセラーを続け、今日まで210万部を超えるベストセラーとして多くの人々の間で読み継がれている名作です。
2007 セロ弾きのゴーシュ ヘタなセロ弾きのゴーシュが腕をみがき、人間的にも成長する姿を描く宮澤賢治原作のアニメーション。大藤賞受賞作品。監督は「じゃりン子チエ」の高畑勲、キャラクターデザイン・原画は「未来少年コナン」の才田俊次、美術は「銀河鉄道999」の椋尾篁がそれぞれ担当。
2008 あした元気にな〜れ! 半分のさつまいも 作家・エッセイストとして活躍する海老名香葉子の『半分のさつまいも』(くもん出版)を原作に、戦災孤児となった兄妹が明るくたくましく生きていく姿を描く感動ドラマ。総監督は「チンパオ」「ウィニング・パス」の中田新一、監督に「ジャングル大帝」の竹内啓雄、作画監督に『伝説巨神イデオン』の湖川友謙。
2009 大ちゃん、だいすき 重度の障害をもった兄を精一杯支えようとする妹の姿を通じて、家族の愛ときずなを描き出す感動のアニメーション。養護学校の教師をしながら書き下ろした、星あかり原作の「大ちゃん」を基に、「5等になりたい。」の脚本を手がけた山本洋子監督が映像化。主人公の兄妹の愛と、二人を取り巻く人々の友愛をエモーショナルにつづる。
2010 PiPiとべないほたる 絵本作家・小沢昭巳の『とべないホタル』を原作にした劇場用長編アニメーション作品。生まれつき羽がちぢれていることで飛べないホタルのピピが、他のホタルから仲間外れにされていたが、あることをきっかけに仲間たちと打ち解けていく姿を描いていく。ピピの抱える悲しみを、他のホタルたちが理解する優しさが伝わる内容だ。
2011 マヤの一生 熊野の山奥で生まれたその子犬は、汽車に揺られ久保家にやってきました。マヤと名付けられ子犬は、泣き虫の次郎と一番の仲良しに。子猫のぺルやニワトリのピピとともに育っていきます。同じころ、日本はアメリカやイギリスと戦争を始め、物が不足し始めて久保家でもお粥しか食べられない日々へと変わっていきます。いつも腹ペコのマヤに、次郎は自分の食べ物をあげていました。冬が近づいたある日、「人間の食べ物がないのに、犬に食べ物をやるのはぜいたく」とマヤを殺すように命令がきて…
2012 おまえうまそうだな 人気絵本作家・宮西達也の大ヒット作「ティラノサウルス」シリーズをアニメ映画化。草食恐竜に育てられたティラノサウルスのハートは、自分が肉食恐竜だと知り、ひとりで生きていくことを決心する。ある日、ハートは卵から生まれたばかりの草食恐竜の赤ちゃんを食べようとするが、赤ちゃんはハートを父親だと思い込んでしまう。やがて2人の間には父と子のような愛情が芽生えはじめ……。
2013 フランダースの犬 1870年頃のベルギー・フランダース地方に、絵を描くのが得意な少年ネロと祖父ジェハンが貧しいながらも人々の好意に助けられながら暮らしていた。ある日、ネロは金物屋の主人に捨てられた荷車引きの犬パトラッシュを道端で助け、家に連れて帰り一緒に暮らすことにする。元気になったパトラッシュは牛乳運びの仕事を手伝い、いつもネロと一緒に過ごすようになった。しかしジェハンは無理がたたり亡くなってしまい、ネロはたった一人きりになってしまう。貧しいネロに世間の風当たりは厳しく、願いだった絵のコンクールにも落選してしまい、とうとうネロはパトラッシュと訪れた教会のルーベンスの絵の前で静かに天に召されていくのだった。
2014 エルマーの冒険 アメリカのガネット親子が1951年に発表した同題の不思議な童話を、日本の古参のアニメスタッフ波多正美が監督。RPGゲーム「FINAL FANTASY」シリーズで著名な寺田憲史が脚本を手がけている。猫から可愛そうな竜の話を聞いた少年エルマーは、いじわるな動物から竜を助けるための冒険に旅立つ。猛獣に襲われるエルマーだが、智恵と勇気で危機を脱出。ついに竜のボリスと出会う。だがボリスは、自分は竜なのに飛べないと気弱なことを口にする。
2015 マジックツリーハウス 世界中で1億冊を超える大ヒットとなった、児童書シリーズ「マジック・ツリーハウス」を映画化。勉強家の兄と気さくな妹という、まったく性格の違う兄妹が織り成す大冒険を生き生きと映し出す。アニメ「あずまんが大王」「とある魔術の禁書目録(インデックス)」の錦織博監督がメガホンを取り、脚本を『ブレイブ ストーリー』の大河内一楼が担当する。日本原作のオリジナルイラストを気に入った作者が、世界で初めて日本に映画化を承諾した全世界待望のアニメーションを堪能したい。
2016 クイール 実在したラブラドール・レトリーバーの盲導犬、クイールの生涯を描きベストセラーになった『盲導犬クイールの一生』を映画化した感動作。盲導犬を断固拒否していた頑固オヤジにベテラン俳優の小林薫。のんびり屋のクイールを優しく見守り続ける訓練士を椎名桔平が熱演する。一匹の子犬が生まれてから出会いと別れを繰り返し、苦労の末、立派な盲導犬に育つ姿を見ていると涙腺がゆるむ。とにかく犬たちの名演があっぱれな作品。
2017 アンゼラスの鐘 実在の医師を主人公に据えた、核廃絶のメッセージをこめた作品として製作された長編アニメーション。長崎上空に新型爆弾が投下され、浦上天主堂は無惨に破壊。美しい鐘を響かせていたアンゼラスの鐘は吹き飛ばされ、瓦礫の中に埋もれてしまう。幸いにも生き残った医師・秋月と浦上第一病院の人々は互いに助け合い、焼け焦げた病院跡で医療救護活動に立ち上がった。 2007年には国連でも上映された。
2018 くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ ベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作で、世界中で親しまれている「くまのアーネストおじさん」シリーズをアニメ映画化。無愛想で大きなくまの音楽家アーネストおじさんと、小さなネズミの女の子セレスティーヌの出会いと冒険、そして種の違いを超えて育まれる関係を描く。優しいタッチでつづられる心温まるストーリーは、第86回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされた。
2019 あなたをずっとあいしてる 2010年公開の「おまえうまそうだな」に続き、宮西達也の大ヒット絵本「ティラノサウルス」シリーズをアニメーション映画化。同シリーズの「あいしてくれてありがとう」「であえてほんとうによかった」をもとに、原作者の宮西自らが脚本に参加した。大好きな両親を亡くし、ひとりぼっちになってしまったティラノサウルスの子どもトロンは、立派な恐竜になることを決意し、たったひとりで広い世界へと足を踏み出していく。ジャングルを抜け、険しいゴツゴツ山を越えて旅を続けるトロンだったが、悪さばかりする恐竜バルドたちに見つかってしまう。
2020